家庭への持ち帰りで考えるべきこと
GIGAスクール構想により家庭学習の取り組み方に変化も生じています。GIGA端末を家庭に持ち帰り、それを用いて取り組む形です。教育アプリ等を用い、個別最適な学びに取り組んでいます。ただ使い方等で問題も生じています。
GIGAスクール構想によりタブレット/PCの1人1台端末が実現しました。配布に関して、自治体による差がありましたが、ひとまずほぼ終了しました。現在は「どのように活用していくのか」ということが課題の段階です。
「活用」において学校が考える必要があることが「家庭へ持ち帰った時の使い方」についてです。文科省はGIGA端末を家庭に持ち帰ることを推奨しています。ただ実際にタブレット/PCを家庭に持ち帰るとなると考えるべきことがいくつもあります。
ハードの問題としては、充電器、Wi-Fi等のことがあります。ソフトの問題としては、取り組む内容、取り組み方(時間)等のことがあります。今回のテーマである「GIGA端末を夜中に使えないようにしてほしい」ということも親にとっては切実な問題となる家庭もあることでしょう。
取り組む内容としては、「教育と関係の無い使い方をできないようにしてほしい」というものがあります。不適切な動画を見ることができないような設定にする等のことです。GIGA端末を一律にYouTubeが見られない設定にしている自治体もあります。こうすればYouTubeで不適切な動画を見てしまうということに関しては、解決なのですが、それによるマイナス面もあります。
YouTubeの動画は不適切な内容のものもありますが、教育的に非常に質の高いものもたくさんあります。そういったものを一律にシャットアウトしてしまうことはマイナスでもあります。もちろん、何らかのフィルター機能を設定し、できる限り不適切な動画等にアクセスできないような対応は必要だと思います。
GIGA端末の使用時間を制限する
また、今回のテーマである「GIGA端末の使える時間」に関しては、可能な限り子供が使う端末には「使用に関する時間制限」を掛けるようにしていきたいです。どの時間から使用不可にするのかは議論が必要だと思いますが、夜中の12時に小中学生が端末を使っていることは良いことではありません。タブレット/PC等を用いた個別最適な学びも大切ですが、成長期の子供にとって規則正しい生活をすることはそれ以上に大切なことです。就寝のリズムの崩れは、学校への登校渋り、不登校へつながるきっかけとなります。
GIGA端末を使用する以前から家庭でのスマホや携帯ゲーム等の使用時間に関するルールを決めている学校、自治体がありました。1日の使用時間を○分と決めたり、21時以降は使わないようにしたりする等のものです。ただそれらはそれぞれの家庭に任されていることもあり、守ることができてきない家庭もあったのが実態です。GIGA端末においては、機種にもよるのですが、可能な限り使用時間の制限等を設定することが望ましいでしょう。
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