子供のトラブルに対応するのは、学校?家庭?
地域にもよりますがこの数日で夏休みに入った学校が多いと思います。そういった中で問題になることの1つが夏休み期間の子供のトラブルについてです。
夏休み等の長期休業中にも子供のトラブルが発生します。学校の授業がある期間とは違い、子供にとって自由な時間も多いのが夏休み等の長期休業期間です。子供同士でさまざまな関わりがあり、そういう中でトラブルが発生することもあります。たとえば、一緒に遊んでいていじめられた、怪我をしたというものは以前からもありました。最近では、スマホ、タブレット、PCを用いSNS等でトラブルが発生したというものもあります。
そういったトラブルに関して、保護者から「子供のトラブルに対応してほしい」という連絡(相談)が学校に入ることがあります。学校外のトラブルは基本的には保護者にその責任があります。下校後や土日等に発生したトラブルもそうですし、夏休み等の長期休業期間も同様です。しかし、保護者の「相手と直接連絡を取るのも面倒だ」「学校の友達のことなのだから学校が対応すべきだ」等の思いと教員(学校)の「できれば保護者から良く見られたい(思われたい)」等の思いから、学校で対応してしまうこともよくあります。
現在の学校は「子供のために・・・」という言葉によって、学校(教師)が取り組む仕事が増えているという状況です。今回のテーマである「夏休み期間の子供のトラブルに対応してほしい」ということも「子供のために」ということから考えると学校が取り組んだ方が良いのではという考えもあります。
学校外のトラブルは家庭で対応
ただそういったなし崩し的な対応が、学校現場を年々過酷な状況へとしてしまっているということができます。本来の仕事でないものに関しては、保護者に対して毅然と「ご家庭で対応してください」と伝えていくことも必要でしょう。相手に対して良い顔をしようとすることを続けていくと、結局、そういったことが成り立たなくなり、全体が崩壊してしまう可能性もあります。現在の学校はまさにそういった状態でしょう。私は以前から現在の学校の状態は「空気がパンパンに詰まった破裂寸前の風船」という表現をしてきました。大きく膨らんだ風船は何かのきっかけで破裂してしまう可能性があります。
夏休みの子供のトラブルに関して、直接的にトラブルの原因が学校にある場合も無いわけではありません。たとえば、校庭にある遊具で遊んでいたら、遊具が破損していたことによって子供が怪我をしてしまった等の場合です。そういった場合、学校が対応していくのですが、そういった場合以外の一般的なトラブルに関してある保護者の訴えを受けて学校が対応してしまったら、同様なケースではその都度学校が対応する必要が出てきます。もしある保護者の訴えは聞き、ある保護者の訴えを聞かなかったとなると、保護者間で学校への不信感が増していくこととなります。
学校を持続可能な組織へ
今回のテーマである「夏休み期間のトラブル」だけでなく他のことに関しても学校は親や地域に対して良い顔をしようとするのではなく、「できることはできる」「できないことはできない」ということをきちんと伝えていくことが大事なことなのでしょう。コロナによって社会や学校の姿が少し変わりました。学校が持続可能な組織であるために学校のあり方を考え、変えた方が良いと思われる部分は変えていく必要があるのだと思います。
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